白昼夢 短篇公演
『譚Ⅰ』
日時
2023年
10月6日 (金)-10月8日 (日)
全5ステージ
会場
神奈川県立青少年センター
スタジオHIKARI
本公演とは異なる位置付けで、実験的な短篇作品を上演する企画『譚』(たん)のシリーズ第一弾。
コロナ禍で本公演の上演を休止し、各地でのパフォーマンスや創作の模索を続けてきた白昼夢が、その成果としてオムニバス形式で小作品を上演する。
「既成戯曲」「レパートリー作品」「オリジナル新作」等、劇団がこれまでとってきたアプローチを凝縮。
さらに、休止期間の活動を振り返るロビー展示も実施。
※神奈川県文化プログラム「マグカルシアター」参加作品
『モノロオグ』
作:岸田國士 演出:石坂雷雨
出演:鶴田理紗
1932年、岸田國士によって発表された、恋人に去られた女の心情を描いた一人芝居。
活動休止中に掲げた目標の一つであった「鶴田の一人芝居創作」を当公演に向け結実させたもの。発表当時の時代感にとらわれず明解に物語を伝えるため、独白の内容を詳細に黒板に書き表していく手法をとった。また、独白という行為自体の虚構性に寄せて、俳優・鶴田理紗が持つリアリティから外れた演技にあらためて着目し、その劇性が際立つように演出を構築した。
『雲人間による紙芝居屋』
作:米山昂 絵:相澤亮
白昼夢のレパートリー作品。各地の路上やイベントで上演してきた紙芝居パフォーマンスを劇場で。
2020年以来公演活動を休むことにはなったが、休止期間中も各地で紙芝居の上演は続けていた。豊岡演劇祭2022、急な坂スタジオ、松戸市子ども会での披露を経て、これまでの休止期間の象徴として今回劇場でも披露。コロナ禍初期の映像作品『満員御礼篇』では無人だった劇場の客席が、当公演で有人となった。演目は2012年から披露し続けている『Rock'n roller 芳一』。
『国府津文書』
作:米山昂
コロナ禍で上演形態を模索していた際に発案された、出演者0人の音声劇。
舞台上で台詞を発する出演者はなく、加工や合成により生成した音声と、それをラジカセで流す再生者がいるという上演形態をとった。内容はJRの自動音声同士の会話劇で、米山昂がかつて陥った精神状態とその解消についてを表現した。土地選びは作者の名前と、モチーフである仏教と縁の深い地であることから。
『虚ロ鯨 ~ヒトリネ篇~』
作・演出:石坂雷雨
出演:鶴田理紗
2014年発表『虚ロ鯨 ~カンナビ篇~』に次ぐシリーズ作品。少年トオルの見る夢を通して描くオリジナル新作。
約4年の休止期間中に訪れた外の世界の変化や、一方で変化しない劇団の創作意欲等についてを作品化したもの。外との繋がりや「一人」という概念を題材に、少年の夢の中にある「遊び」の世界を描いた。劇団活動の根源的な理由を描く作品でもあったため、これまでの作品で使用してきた「群読」手法を一人で表現する等、演出的な試みも織り込まれた。
またEDダンスは、作中の言葉を拾いつつ、さらに踊る者と観る者を「先」へと送り出すイメージで創作。風や波と共に旅をした主人公トオルの風景をソロで描く前半から、「今」へと繋げ劇団員メンバーが参加する3人のダンスに発展させた。白昼夢という劇団の構成要素、メンバーの雰囲気を素材に、ほとんどの部分を稽古場での対話で振付した。
ロビーには、「これまでの活動」「休止期間の活動」「これからの活動」をそれぞれ展示。
特に休止期間の活動については、
・中止になった2020公演プロット
・定期稽古での即興作劇トレーニング
・オリジナルの「祭」企画
・子ども向けWSの準備記録
などなど、活動の模索を続けてきた記録を並べた。
スタッフ
振付|髙橋沙耶 照明|木村奏太 音響|太田智子 舞台監督|ヒガシナオキ 舞台監督補佐|概念子
記録写真|大橋絵莉花 記録映像|稲川悟史
チラシビジュアルデザイン|米山 昂 チラシデザイン|楢崎夏海 制作|大蔵麻月
協力|プリッシマ libido: 急な坂スタジオ
スペシャルサンクス|佐藤英美 川畑絵莉子 南雲舞子 長尾唯芽 松野耕二 (有)ユタカ工業所 合同会社範宙遊泳 合同会社ロロ
企画制作|白昼夢 主催|神奈川県 白昼夢